JINS

群馬イノベーションアワード

2013年7月26日

ジェイアイエヌを立ち上げて以来、私はビジネスに集中してきました。以前「メディアについての考え方」というメッセージでもお伝えしましたが、その基本的なスタンスは、上場後も、JINSブランドが大きく立ち上がってからも、東証一部に上場してからも大きく変わっていません。

ただ、本業以外で一つだけ、社会に対して発信したいテーマがあります。それは、「もっと日本で、ベンチャーや起業が増えればいい」ということです。なぜ、私がそのようなテーマを強く持っているのかというと、「地方出身で凡人の私が、ビジネスで世界と勝負するスタートラインに立てた」ことに対する感謝の気持ちがあるからです。そして、微力ながらこれを社会に何らかの形で還元すべきではないか、という思いがあるからです。

大それたことはできないかもしれませんが、「私にできることがあるとすれば、これだ」という思いがあり、「群馬イノベーションアワード」の立ち上げに参画しました。これは、私の出身地でもある群馬から、次代を担う起業家を発掘、奨励し、起業やイノベーションを通じて地域を元気にしてゆくプロジェクトです。 時代をブレイクスルーするような新しい技術、サービスにおけるイノベーションに挑戦している起業家や事業 継承者にスポットをあて、その活動を表彰するというものです。

以前私は、経産省の要請でアメリカのスタンフォード大学に行って、ベンチャーに関するパネルディスカッションに参加したことがあります。その中で印象的だったのが、一般的に「起業からの10年間」が、もっとも世の中に雇用を生み出す、という言葉です。イノベーションを起こし、顧客を創造し、雇用が増えて、税金を納めて...ということで、起業はやはり社会貢献になり得ると思います。

それなのに、なぜ日本では起業家が少ないのか。特に、東京以外の地方の人たちの起業率が低いのはなぜなのか。それを考えてみると、少しずつ原因が見えてきました。おそらく、「周りにお手本がないから」ではないでしょうか。優秀な人は東京に出るか、県庁や地元の銀行に入ったりしますから、地元に残って事業を起こす人たちはほとんどいません。そうすると、「起業やベンチャーのリアリティ」がないのです。

私自身、最近になって慶應の湘南藤沢キャンパス(SFC)で学んでみてそれを確信しました。SFCには、ベンチャーで成功した先輩や同級生などがごろごろいて、「起業やベンチャーのリアリティ」が感じられます。まさに「我が事」と思える、というか..。地方にも、そういう機会があれば、きっと出てくると思います。その一つの試みとして、この「群馬イノベーションアワード」に携わっています。

なお、起業ばかりを強調すると、「皆、経営者として起業すべき」というメッセージに聞こえがちですが、必ずしもそう考えてはいません。事業は組織でやってこそ、大きなことを成し遂げることができます。「もっとビジョンを持って、チャレンジをして、ベンチャーに関わっていく志のある人が増えればいい」、という思いが真ん中にあります。その一助になれればと考えています。

基本的に私は、これまでも、これからもビジネスに集中しますが、この取り組みについては、社会貢献活動の一環として、真摯に関わっていきたいと思っています。

※社長メッセージは記事掲載時点における最新の情報や考えを、敢えてそのまま掲載しています。よりタイムリーにメッセージをお伝えすることを重視しているため、メッセージ内で掲載されている内容と、公式に発表されている実際の取り組みに多少の差異が生じる場合がございます。あらかじめご了承ください。