JINS

「動」と「静」

2013年9月30日

思えば私たちはここ数年、かなり激しい変化を経験してきました。
転機となったのは2009年。上場後鳴かず飛ばずの苦しい時期を過ごしていた当社を、一気に変える大勝負をしたことがスタートです。この年に4つのことを同時に変えました。

一つ目は、業態変更。これまでレンズによって追加料金がかかっていた業界の常識を破り、追加料金なしのプライスを打ち出したことは、業態変更と言える大勝負でした。
二つ目は、商品変更。これまで売っていた眼鏡と全く異なる機能性商品、「エアフレーム」という新商品を投入しました。
三つ目は、ブランド変更。「JINS」の新しいロゴを作り、全店舗の看板を変更し、ブランドを統一しました。
四つ目は、マーケティングの変更。大手広告代理店に、それまでの当社では考えられない額の広告費で大きなプロモーションを依頼しました。

通常、これらの一つを変えるだけでも大きな出来事ですが、それを4つ同時に行ったのです。今と違い、JINS事業も安定していない状況です。失敗したらもうダメかもしれない、という大きな賭けでした。まさに、「動」です。それに続くJINSPCのヒットも、当社を一気に引き上げる「動」的な勝負だったといえます。

そして、2013年。今後も商品開発や店舗開発などに加え、海外に向けてのチャレンジを控えており、また「動」に向かうことになります。

そんな今、私は敢えて「静」を強く意識しています。ここでいう「静」というのは、次の大きな飛躍を前にした足固めのことです。どうしても、しっかりとした底力をつけておきたいのです。今後の更なる成長のためにも。

この数年のJINSは、「動」的な熱に導かれる形で成長してきました。それはそれで重要なことだと思っています。勝負どころで勝負できないリーダーは失格ですから..。(攻めるべきときに攻めるというのは、実は難しいことなのです。)

そして、攻めるべき時に攻めるという「動」的な強さと同じく必要なのは、自分を見失うことなく、先を見据えて今の自分を整えていくという「静」的な強さだと思っています。

これは車の運転と一緒です。遠くを見るからこそ、まっすぐ走れます。雨の日の運転で、ワイパーの動きに囚われていたらまっすぐ走れません。雨の日でもまっすぐ走れるのは、ちゃんと先を見ているからです。今起きている現象だけに惑わされないことが重要です。

現在意識している「静」は、来るべきこれからの「動」的な勝負に向けて、静かな闘志を燃やしつつ、やるべきことをしっかりやって足場を固めることだと思っています。

勝負をかける「動」的な力と、足場を固める「静」的な力を併せ持つこと。そして、適切な時に、適切なモードを選ぶということ。突き詰めるとこれは、経営者としてのということになるのかもしれません。自分自身を客観視し、勝負どころを絶対に逃さないこと。そして、足元を固めるべき時には必ずしっかりとそれをやっておくこと。

私も創業してしばらくは、「動」的な激しさ一本でした。しかし、当時お世話になっていた税理士の先生に座禅や水行を紹介してもらったことから、「静」的な心の在り様に関心を持ち、大切さを知り、今に至っています。今後も、一見相反するものを併せ持つことで、厚みを増していきたいと思っています。

「動」と「静」。これは、私が経営において大切にしているキーワードの一つなのです。

※社長メッセージは記事掲載時点における最新の情報や考えを、敢えてそのまま掲載しています。よりタイムリーにメッセージをお伝えすることを重視しているため、メッセージ内で掲載されている内容と、公式に発表されている実際の取り組みに多少の差異が生じる場合がございます。あらかじめご了承ください。